自動車産業は学生に不人気
世界で進む優秀人材の不足
筆者は3月から4月にかけて欧州各地を巡った後、米国に移り自動車産業や交通行政に関する取材を続けている。
そうした中で、「新しい時代に対応できる人材が大幅に不足している」という言葉を数多く聞いた。
例えば、米自動車技術会の総会にあたるワールド・コングレス・エクスペリエンス(2018年4月10~12日、於:米ミシガン州デトロイト)では、ミシガン大学の教授が講演で「電気工学の学部の卒業生は自動車産業界から引く手あまただ。機械工学が中核だった自動車産業は大きく様変わりしたという印象が強い」と語った。
また、米デトロイト3(GM、フォード、FCA)各社の幹部は「ウチの息子にとって自動車は単なる移動手段に過ぎない。私が若い頃に抱いたような、クルマに対する夢はなく、就職先として自動車メーカーの優先順位も低い」と肩を落とす。
要するに、自動車産業界に魅力を感じない若者が増えており、企業側は少ないパイを奪い合っているのだ。