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あなたの個人情報・行動はこうして売買される!
ビッグデータ時代の暗闇“ブラックマーケット”の実態

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第9回】 2012年3月30日
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――よくハッカーが企業のサーバーへ侵入して、クレジットカードなどの個人データや企業の機密データを盗んで売るといった事件があるが、その違反行為は、それとは異なったものか。

 そうした犯罪行為のことを言っているのではない。そうではなく、「グレーマーケット」とでも呼ぶべきもっとわかりにくいブラックマーケットのことだ。彼らは、フェイスブック、ツイッターなどのパブリッシャーが外部に公開するオープンAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス=機能やデータベースの一部を外部開発者が再利用しやすくするインターフェイス)を利用する際に、意図的に、あるいは誤解というかたちをとって、利用規約を破るのだ。

 過去5年間ほどで、そうしたオープンAPIを公開する企業は爆発的に増えた。それはパブリッシャー側の気前のいい行いだが、それを利用する側はいつも「もっとたくさんのデータが欲しい」と感じている。そうして利用規約の違反行為が発生する。

複数データで「個人の特定」も不可能じゃない?
違反行為を食い止める方法はあるか

――そのオープンAPIは、悪用や乱用しようとすれば、ロックがかかるようなことが、プログラム上の処理によって可能ではないのか。

 そうした違反行為を食い止めるための方策はあるが、残念なことに完璧なソリューションはまだない。わかりやすく言えば、こういうことだ。

 今、目の前に「コカコーラ」のロゴがある。ロゴは自由に見られるようになっているのだが、だからと言って、私がそれを自由に使えるわけではない。消費者が投稿したコンテンツや、それへのアクセス、それをどう表示するかは、そのロゴのようなものだ。データ・プロバイダー企業や開発者には、そうしたデータがすべて見えているのだが、本来は利用規約によって、その手前に線が引かれている。だが、データ欲しさのあまりに、その線を超えてしまうのだ。自分ではそうした行為に手を染めず、データを採集する他の企業から買い取ることもある。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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