しかし、A課長は「わからない」を連発。結局戻ってきた総務部長にこの場では値引き後の金額の提示ができなかった。追加リース料の値引きの件は、明日の朝イチで連絡することになった。

 A課長の姿が見えなくなったところで、総務部長はあきれ顔でC係長に耳打ちした。

「ねえ、君んとこの課長、何しに来たの?ただのご挨拶?そういえば気になったんだけど、商談中『近くにおいしい蕎麦屋さんありますか?』としきりに聞いてきたのは、もしかしてそれが目的だったのかな……?」

 C係長は恥ずかしさのあまり、その場を逃げ出したくなった。A課長は商談中も総務部長相手にグルメの話ばかりしていたからだ。

課長に対する不満が爆発!
報告を受けた部長は…

 翌朝、C係長はB部長に呼び止められた。

「C君、お疲れ様。例の乙社との大口取引はまとまったみたいだね。よくやってくれた」
「部長、ありがとうございます。実はお話があります。ちょっと別室でよろしいでしょうか?」

 2人は会議室に入ると、C係長が訴えた。

「課長が同行したにもかかわらず、追加リース料の値引き額が決めませんでした。相手の担当者からバカにされ、恥ずかしくて課長と一緒にやっていられません」

 部長が以前から課長に対して感じていた不安が現実になった瞬間だった。

「他に困ったことはあるかね?」
「実は課長の仕事になっているはずの会議の資料を毎回作らされています!」
「エッ!本当か?」
「はい、それ以外にも決裁書類の整理や問い合わせの対応まで、押し付けられて困っているんです」

 C係長は不満をぶちまけ、さらに暴露を続ける。

「他の課員も課長の仕事を押し付けられて迷惑しています。何とかならないでしょうか?」

 事態を深刻に受け止めたB部長は、A課長を呼び注意した。

「乙社との件、リース料の値引き額が決められなかったんだって!?課長の裁量で答えられたはずだけど……」
「私はそんな大それたことできません」
「じゃあ、会議資料を作成するのは課長の仕事だ。部下にやらせるとは一体、どういうことだね?」
「私はパソコンなんか使えません。できないんです」