今、超リッチな中国人たちが、資産のリスク分散を目的に海外の不動産に注目している。韓国、香港、オーストラリア、シンガポール、そして日本にもその目は向けられている。10年前より上海にて日本人、日系企業向け不動産仲介事業を営み、最近中国人向け日本不動産販売事業をスタートした、ウェルスターエージェンシーの野間董事長に、お話を伺った。
リスク分散を目的に
海外不動産を購入
――中国では、人民元と外貨のやり取りを当局が厳しく管理していると聞きます。中国人が何千万円もする日本の不動産を購入することは問題ないのでしょうか?
中国人が、日本や海外の不動産を購入すること自体は全く問題ありません。厳しく管理されているのは、あくまでも「人民元と外貨の両替」ですので、中国人でも既に外貨として保有している現金で海外の不動産を購入できるのです。
中国では1人当たり年間5万USドルまで人民元を外貨に換えることが認められているので、何年間かかけて人民元を外貨に両替していれば、海外の不動産を購入するために必要な外貨資金を持つことも十分可能です。実際、日本人よりもリスクに敏感な中国人は、ある程度資産ができると人民元だけでなく、一部を外貨として保有しリスク分散をするのが普通です。