名古屋に旋風を巻き起こした「庶民革命」は今や色あせた
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 河村たかし・名古屋市長が率いる「減税日本」が大変なことになっている。

 市議会リコール後の出直し選挙で28議席を獲得し、第1党に躍進したのは1年前のこと。新人議員は「減税日本ナゴヤ」という会派を結成し、市長与党として活動を開始した。その会派から4人が離脱し、先に除名された1人と共に新会派「減税日本・新政会」を結成した。3月21日のことだ。わずか1年で分裂となった。

 分裂騒動の直前まで名古屋市議会は別の問題で大もめにもめていた。議長の続投問題だった。本来、議長任期は4年だが、名古屋市議会は1年交代となっていた。60年前から続く慣例だ。

 ところが、減税日本の議長が議会改革を理由に掲げて続投を宣言。てんやわんやの大騒ぎとなった。

 議長は当選1回の新人議員。就任直後に不適切発言で議会を空転させる失態を演じていた。議長降ろしにさらされたが、慣例にも救われる形で乗り切った。

 そんな議長の唐突な慣例破り宣言に、身内の減税日本からも批判が上がり、会派を除名に。その2日後、市議会が議長に対する不信任決議案を全会一致で可決し、議長は孤立無援となった。

 それでも引き下がらず、1人で街頭演説するなど、徹底抗戦の姿勢を示したが、その直後に姿を消し、連絡が取れなくなった。

 2日後に姿を現した議長は辞任を表明。別の議員に議長席を譲り、減税日本ナゴヤから離脱した4人と合流し、新会派のメンバーに加わったのである。温泉で説得を受け、一緒にやることになったという。何ともお粗末な辞任・分裂劇としか言いようがない。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 相川俊英)

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