作る時間より
食べる時間を大切にする

志麻:「そうですよね。私も昨年、妊娠・出産・子育てを初めて経験して、子育てしながら仕事する、というのは本当に大変なんだと実感しました。
 こういう時代だからこそ、フランス人が大切にする、『作る時間より食べる時間を大切にする』という価値観を伝えられたらと思っています」
記者:「なるほど。あの『志麻さんのプレミアムな作りおき』の『はじめに』にあった言葉ですね」
志麻:「私は品数を多く作ることより、一品一品を丁寧に作りたい。そう思ったときに頭に浮かんだのは、フランスの調理師学校時代に学んだ、フランス人の笑顔でした。
 家族みんなで食卓を囲み、今日あったことを、ああでもない、こうでもないと、幸せそうに食べながら話す。ここが、食卓は生きていると実感するところですが、今、日本で生活していると、みんな多忙で、あたりまえの大切なことが忘れがちになる。
 だけど、フランス人は、いつもこの価値観を大切にしている。
 私はフランス料理の中でも、高級料理より家庭料理が大好きなのですが、フランス家庭料理を通じて、各家庭に少しでも笑顔が増えればと思っています」
記者:「フランス人ってそうなんですね。私も平日は家族全員と一緒に食べられません。だからこそ、土日はできるだけ家族みんなの時間を大切にしています。やはり食が基盤、土台ですし、すべてですよね。食卓って本当に大切と実感する今日この頃です」
志麻:「はい。日々様々なご家庭に伺って実感するのは、仕事を持っている方もそうですが、子育てに専念されている方も同じく多忙だということです。
 ですから、ご自身ですべてやろうとせず、私のような家事代行を気兼ねなくどんどん使っていただいて、作る時間より食べる時間を大切にしていただけたらと思います」

フランス人の夫と長男の3人家族