小さなカビが、家のモノすべてを汚染する

 このことも重要なので強調しておくが、ひとたびあなたの家に(オフィスや学校にも)カビが生えると、素早く広がって周囲のすべてのものを汚染していく──服を、家具を、あなたの持ち物すべてを。特に部屋の「じゅうたん」は小穴が多いので、カビ毒を吸収してしまう。つまり、荷物をまとめてカビの生えた家から逃げ出したとしても、あなたは文字どおり問題を抱えて持っていくことになる。持ち物まですべて捨てない限り。

 有毒カビがどれほどダメージを加えるかを裏づけるあらゆる証拠があるにもかかわらず、ほとんどの医者は医学部でカビについて学ばず、患者の有毒カビへの曝露を認識できていない。その結果として、マイコトキシンにさらされた症状で苦しんでいる多くの人は、まったくの身体的な病気なのに、たびたび精神病として片づけられ、誤診され、治療されている。

 僕は慢性炎症性反応症候群(CIRS)研究の第一人者、スコット・マクマーン博士にインタビューさせてもらった。CIRSはマイコトキシンにさらされて発症することが多い。マクマーン博士は彼の患者の少なくとも半数は、前の医者から「頭がおかしい」とか「症状を空想している」などと言われたと言っている。そのうち多くが抗うつ剤ゾロフトを処方され、その一方でただ追い返された人もいた。その結果、多くの人がうつ状態になったり、自殺まで考えたりしたという。

 だから自分の体の声に耳を傾けること、自分自身を──そして自分の脳を──マイコトキシンから守る術を知ることはとても大切だ。とはいえ、このことは言うは易く行なうは難しである。しかし本書のステップが、カビを避けるための、あるいはすでにさらされているなら毒素の作用から回復するための助けになるだろう。

(本原稿は『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』よりの抜粋です)