経費精算の書類を持って行くと、締切時間に1分でも遅れたら受け付けないという経理担当者。取引先から好感触を得てその場で話を進めてきたら、手順を踏まないと認めないという上司。あなたはこんな、細かな規則にこだわる人に悩まされていませんか?『かかわると面倒くさい人』の著者・榎本博明氏がそうした人たちの心理構造を分析します。
なぜ所定の用紙に
そんなにこだわるのか
会議の1時間前に急遽、数百円の文具が必要に。急いでコンビニに走り、立て替え払いで購入して間に合わせようとしたところ……。
「立て替え払いは極力やめてください。所定の用紙で申請しなければ受け付けられません。急ぎの決裁を頼めば、今日の昼すぎには決裁が降りるので、会議は明日に変更してはいかがですか」
いずれ仕事で必要になる物の購入であり、決裁が通らないはずがありません。
そもそも、数百円の文具の購入の決裁を待つために、参加メンバーの時間を再調整し会議を延期させるなど、非効率極まりないということが、なぜわかってもらえないのでしょうか。
「所定の用紙」「書類の決裁」には、それだけの犠牲を払うだけの価値があるとでもいうのでしょうか……。
このように経費購入時の決済の手続きがあまりにも面倒くさく、不毛なやりとりに辟易としてしまうので、いつも自腹を切るという人がいます。