残業時間を規制する今の働き方改革法案では、生産性が向上しない理由
国会で働き方改革法案を巡る論戦が再開されたが、残業時間に上限を設定しようとする今の法案の中身では、生産性の向上は望めない可能性が高い(写真はイメージです)

画一的でお粗末な残業時間規制
これでは若手が育たない?

 19日間の長きにわたった野党の審議拒否がようやく終わり、国会が正常化しました。今国会の最重要法案である働き方改革法案を巡る国会論戦も始まりましたので、ここで改めてこの法案の問題点を考えておきたいと思います。

 この法案の問題点は、労働者や経済の生産性の向上を目的としているにもかかわらず、今の法案の中身では逆に生産性が低下しかねないという点に尽きるのではないでしょうか。

 その理由としては、不適切なデータの発覚という不祥事により裁量労働制の適用対象の拡大に関する条項が削除されたこともありますが、実はそれ以上に生産性の向上を妨げる可能性があります。日本に投資する外国人投資家からも評判が悪いのは、残業時間の上限規制です。

 法案では、時間外労働(残業時間)の上限を原則として月45時間、特別な場合も月100時間未満に制限しています。そして問題は、この上限が入社1年目や2年目といった若手社員にも適用されることです。

 というのは、外国人投資家に言わせると、働き方改革が進んでワークライフバランスが実現されている欧米でも、若手社員の頃はそれなりに長時間残業をして、早く仕事に必要なスキルや知識を身につけることが多いそうです。

 たとえば、私の知り合いのヘッジファンドで働く20代の若手は、別に強制されているわけではありませんが、朝は7時には出社して仕事を始め、夜は10時頃まで働いているそうです。週末も、さすがにそこまで長時間ではありませんが、基本的に土曜は1日中働き、日曜も働くことが多いそうです。

 もちろん、そんな生活をずっと続けていては体が持ちません。なので、夏や冬にはまとまった長期休暇を取るし、それ以外も数ヵ月に一度は数日の休みを取るそうです。