優秀な若手ほど、ひとたび心が折れてしまうと立ち直れない写真はイメージです

ゴールデンウイークが明けて仕事が本格化する中で、若手社員がやる気をなくしてしまう「5月病」に代表されるように、5~6月は若手社員のメンタル問題が起きやすい季節です。そうした問題に、管理職はどのように対応すればいいのでしょうか。「管理職養成講座」第9回は、自信に満ちあふれていた若手社員が、ある日突然出社しなくなってしまったケースで考えてみましょう。(MICA COCORO代表 産業カウンセラー 宮本実果)

ゴールデンウイーク明けに
課長を襲った予想していない事態

 人材系企業に勤めるHさん(44歳・男性)は、10人の部下を抱える営業部の課長で、典型的な「プレイングマネジャー」です。明るい性格で、困っている部下がいると必ず声をかけるように心がけています。

 営業部は体力勝負の業務が多く、部下の7割は20~30代の男性です。中でも、春から中途入社した新人Cさん(25歳・男性)は、H課長が面接で採用を決めた有望な人材です。採用の決め手は「明るく元気でコミュニケーション能力が高い」ことでした。

 ところが、ゴールデンウイーク明けに、H課長が予想もしていない事態が起きてしまいました。一体どうしたのでしょうか。まずは、二人の会話をご覧ください。