2014年、プラネタリー・リソーシズは、当面の目標を小惑星鉱物資源の採掘ではなく、「水の採取」へと方針転換しました。

 もとより水は、宇宙活動で極めて重要です。燃料にもなるからです。プラネタリー・リソーシズは、ロボット宇宙船を太陽電力によって稼動させ、小惑星やその付近で採取した水を、水素と酸素に分解して燃料に加工することを考えたのです。

 そして、軌道上を周回する燃料貯蔵庫に貯蔵して、衛星の推進燃料として使えるようにする。そうすることで、寿命が尽きた商用衛星を延命したり、軌道間輸送機の燃料にしたりするという計画です。

 資源開発というと、地球で使えそうな資源を持ってくるというイメージが強くありましたが、鉱物を掘削するよりも、軌道を周回する燃料ステーションに貯蔵して宇宙で使用する燃料の販売に着目したのです。

 プラネタリー・リソーシズは、最終的には、レアメタルなどの希少金属を遠隔操作で掘削する事業の確立について検討を続けているようです。

 グーグルは、レアメタルを持っている可能性のある小惑星の価値ランキングのシステムをつくっていました。これを買ったのが、プラネタリー・リソーシズでした。このシステムに宇宙資源を事業とする価値評価を加えたランキングシステムで、どの小惑星の資源価値が高いのか、どの小惑星が開発する価値があるのかを見える化して、探査開発の対象となる小惑星の決定に役立てたり、小惑星の市場価値を投資家に示したりしています。