いつもの冷蔵庫の食材が簡単!贅沢レシピに大変身!もう献立に迷わない!「すごい」と話題の志麻さん。処女作『志麻さんのプレミアムな作りおき』が大きな話題となり第8刷を突破した。
ふだんお家で食べたことのない「タンドリーチキン」、「農家の野菜スープ」、「ラタトゥイユ」、「豚肉のビール煮」、「お米のニース風サラダ」、「ローストビーフ」、「アッシ・パルマンティエ」、「ハヤシライス」、「メンチカツ」、「チョコレートムース」など、フランス家庭料理から、和洋中、エスニック、おやつまで秘伝のレシピが多数収録され、ふだん料理をしない人でも、手早く簡単に作れてしまうというから驚きだ。
冷蔵庫にあるふつうの食材が、なぜ、ワンランク上の「簡単!贅沢レシピ」に変身するのか?これさえ覚えておけば、平日多忙なお父さんお母さんも、尊敬の眼差しを浴びるかもしれない。
3時間で15品以上作るという志麻さんだが、担当編集が「こんなにうまいスイーツが俺でもできるのか!」とびっくりしたレシピがある。それが「チョコレートムース」だ。実は、私はチョコレートがあまり好きではない。そんな私なのに……。志麻さんを直撃した。
(撮影:新居明子、構成:寺田庸二)

私の先入観がいかに愚かだったか

『志麻さんのプレミアムな作りおき』担当編集の私は、普段、甘いものをあまり食べない。

 ただ、あんこは別。だからこそ、敷地面積1坪、幻の「羊羹」と「もなか」の2品で年商3億円以上を誇る吉祥寺・小ざさを描いた『1坪の奇跡』や、人口4700人の仙台・秋保町でおはぎが1日2万個売れるミニスーパー「さいち」を描いた『売れ続ける理由』を編集してきた。

 しかし、正直にいうと、チョコレートはあまり好きではない。

 本書のレシピ会議で、「チョコレートムースを入れては?」と議題にのぼった時、正直、すぐに「いいですね!」と言えない自分がいた。

「チョコムースだけで店出しても売れる?」ふつうの板チョコが極上スイーツになぜ化ける?「伝説の家政婦」志麻さんのチョコレートムースがトテツモナクうまい理由

 しかし、志麻さんの「チョコレートムース」を初めて口に入れた時、その先入観がいかに愚かだったかを思い知らされた。

「なんだ? この品のよさは? さっきまで普通の板チョコだったでしょ。なんでこんなまろやかで、洗練されたきめ細かい味に変わるの?」

 私の心の第一声がこだました。