コンビニでチョコを買った記憶がない私
大阪あべの・辻調理師専門学校、同グループ・フランス校を卒業し、ミシュランの三つ星レストランでの研修を修了。その後、日本の有名フランス料理店で15年働く。家事代行マッチングサービス「タスカジ」に登録し、1年足らずで定期契約顧客数がナンバーワンとなる。予約表に登録すると30分以内に予約で埋まり、「予約が取れない伝説の家政婦」と呼ばれるようになる。各家庭に出向き、冷蔵庫にある食材で、フランス料理、和洋中など世界各国の料理に腕をふるう。各家庭の家族構成や好みにきめこまやかに応じた料理が人気でリピーターが絶えない。フランス人の夫と生まれたばかりの子どもと3人で暮らす。
その夜、帰宅した私は妻に聞いた。
「今まで生きてきた中で、一番、コンビニで買った商品って何?」
「チョコレートかな」
そうか、女性はそうなのかもしれない。
しかし、初めて告白する。
私は、コンビニでチョコレート単体を買った記憶がない。
買ったことがあるのは、森永製菓の「チョコモナカジャンボ」くらいだ。
このアイス、ホームページを見ると、1972年発売。当時は50円。森永製菓初のチョコモナカだったとか。
レシピ製作の現場で、志麻さんのチョコレートムースの「品の良さ」、そして何よりも、普通の安い板チョコでこんなに美味しいものが作れるのかという感動を手にした私は、「おかしのまちおか」でブラック板チョコ1枚92円(税抜)を2枚買ってきた。そして、実際に「チョコレートムース」に挑戦した姿は連載第23回で触れた。
あの時の衝撃は忘れられない。
材料は、ブラック板チョコ2枚と卵3個、砂糖大さじ1だけ! 卵と砂糖が家にあれば、たった200円で作れる。なのに、極めてシンプルでおいしい。