もし大谷が高卒後すぐ
MLB入りしていたら?

 メジャーでの大谷の二刀流の成功も、清宮が記録的デビューを果たしたのも、本人に実力があるからに他ならないが、それを実現させたのは、日本ハム栗山英樹監督の指導力や起用法によるところが大きいといえる。とくに大谷の現在の活躍は、野球を知るファンなら誰もがそう思っているはずだが、栗山監督がいなかったら成し遂げられなかった可能性が高い。

 2012年のドラフト時、大谷は高卒から直接メジャーへの挑戦を表明していた。メジャー側も大谷の才能を買っており、数チームが面談。入団契約の確約を得ていたと見られている。そんなこともあって日本の各球団は指名を回避したが、日本ハムだけは1位での指名に踏み切った。

 メジャーに気持ちが行っていた大谷は当初、この指名に困惑し、球団との交渉にも出ないという頑なな姿勢を見せていたが、栗山監督が同席し「二刀流の選手としてしっかり育てたうえで、こころよくメジャーに送り出す」と確約して獲得に成功した。

 そして日本ハム球団と栗山監督は、その約束通り、NPBで5シーズン、大谷を二刀流としてプレーさせ、投打ともにプロの一流に育て上げ、メジャーへ飛び立たせたわけだ。

 もし、あのドラフトで日本ハムが指名せず、高卒の大谷がメジャーに行っていたら、どうなっていただろう。

 米プロ球界はメジャー30チームを頂点に、トリプルA(3A)、ダブルA(2A)、シングルA(1A=この中にもA+、A、A-の3階級がある)、ルーキーリーグと巨大なピラミッド構造が形成されている。日本流にいえば7軍まであるわけだ。

 メジャーチームは1Aから3Aまで大体6チームを傘下に置いており、単純に計算すると30×6で180チーム。ルーキーリーグのチームを含めるとマイナーリーグには約240チームがある。マイナーリーグのチームにも20人ほどの選手がいるから、約5000人がメジャー昇格を目標に厳しい競争の日々を送っているのだ。