危惧したことが現実に
山梨県で新制度の外科の研修医たった1人

――山梨県はどうでしたか?

 山梨県は当然出ていく人の方が多いです。いわゆる旧帝、旧六、新八と呼ばれる国立大学(病院)が研修先としてある都府県ぐらいがまあ増えました。

 国立大学には全部格があるんですよ。その格に応じて文部科学省の役人も配置されている。下克上なんてないんですよ。普通の競争を阻害している要因があるんです、既に。それが国立大学が発展しない本当の理由。東京大、京都大、大阪大……と。何段階もあって、うちなんか底のほう。

――新専門医制度の課題は何だと思いますか。

 結局、各学会がプログラム(≒各都道府県の定員)をたくさん作りすぎました。要するにその地域に必要なぶんだけじゃなくて、過剰にあるのです。

 プログラムを作っても応募がゼロだったら意味がありません。地方のプログラムには必ず何人は入れるとか、強制性を持たせれば行きわたるのに。

 危惧したことが現実になりました。山梨県で新制度の研修医になった外科はたった1人。これが続いたら医療崩壊です。今までだってこれに近いことが起きていて、ロートル(年寄り)の医師が頑張っていた。大学が好きで残っているからまだ医療が成り立っていました。

――なぜ研修医は東京に行きたいのでしょうか?