この点は、昨年の上場審査の段階でボトルネックになっていた。そしてメルカリは昨年10月に「違法・規約違反行為への対策強化のお知らせ」を発表して、初回出品時に住所、氏名、生年月日を登録させた上で、売上金を振り込む銀行口座と氏名が一致しないと送金されないように仕組みを改めた。裏側では捜査機関との連携も強化することを発表した。

上場前に「アッテ」も終了
法的リスクは払拭されたか

 メルカリの姉妹サービスとして登場した、「メルカリアッテ」も問題が多かった。これはスマホのGPS機能を利用して、近所に住んでいる人同士が色々な仕事や、近所だからこそできるような取引を行うというサービスだった。

 たとえば「犬の子どもが生まれたのでお譲りします」「力仕事ができないので大型冷蔵庫を粗大ゴミとして出すのを手伝ってください」といったサービスを想定していたものだが、実際にやってみるとトラブルが指摘されるようになった。

「若い女性が取引のつもりで会いに行ったら、怖い人に囲まれた」といった事件は多く報道された。「話相手になります」というサービスが少女売春に発展したり、バイトの応募かと思ったら詐欺グループにひっかかるという事態が起きたという報道もあった。一時「メルカリアッテは無法地帯ではないか」と言われるほどだった。

 このメルカリアッテも、今年5月31日で閉鎖される。サービス終了の真の理由ははっきりしないが、「6月の上場を見据えてのことではないか」という世間の推測は、それほど外れていないだろう。

 メルカリ上場に最後まで抵抗していたのは、金融庁だったという話がある。これも昨年問題になった事件だが、メルカリに4万円の現金が4万7000円で出品された。この一見わけがわからない出品の意図は、闇金と同じ仕組みのお金の貸し借りをネット上で行うことである。購入者は4万円の現金を手にした上で、クレジットカードの決済が来る40日程度の期限までに、カード会社に4万7000円を支払うようにするのだ。