シビアに判断、公言実行
1993年の話です。
全社の計画で、全社売上が30億円を達成したら、全員を社員旅行で上海に連れていき、おいしい中華料理を食べさせると約束しました。
しかし、未達成なら国内で野宿、しかも自炊の約束です。
結果はどうだったか。
30億円にあと100万円足りなくて、未達成でした。
わずか100万円の不足だから、社長はなんだかんだいっても中国に連れていってくれると社員は思っていた。
しかし、社員に約束を守ることを求めるなら、社長自身も約束を守るべき。
最初の宣言どおり、社員旅行は伊豆の大島に行ってバンガローに泊まった。
夕食は、自分たちで釣ったアジです。
社員が「アウトドアだ」と喜んでいたのは誤算でしたが(笑)。
翌年は見事30億円超えを果たして、約束どおりに社員を中国に連れていきました。
全社員で、売上に何の貢献もしていない新卒社員もです。
当時、新卒で入ったばかりの三根正裕部長は、テンションが上がったのか、万里の長城で私とかけっこをして、いい思い出になった。
わずか100万円の差だろうが、計画は達成したかどうかがすべてです。
シビアに判断するから、社員も目標達成に向けて本気で取り組みます。
そのために社員自身に実行計画をつくらせるのです。
ぜひ、第1回連載にある、【あなたの会社の危険度ワースト「15の死角」】をチェックしながら、『数字は人格』をカラダ中の細胞に植えつけていただけたらと思います。