交通領域から都市開発の議論へ発展
ITS先進国・日本の行方は?

 こうしたコネクテッドカー技術の一部を応用する形で、ITSの主要課題として急浮上しているのが自動運転だ。

 相次いで発生したアメリカでのウーバーテクノロジーズの実証試験での死亡事故、そしてテスラ量産車による死亡事故などによって、自動運転の安全性と社会受容性に対する世間の目は厳しさを増している。

 日本は警察庁の自動運転ガイドラインによって、自動車業界関係者からは「自動運転の公道実験がやりやすい国のひとつ」と表現されることが多く、自動車メーカー、大学、またITベンチャーなどが全国各地で自動運転実証試験を続けている。日本は自動運転技術については、欧米やイスラエルなどの企業と連携する形で、自動運転量産化での先進国を目指そうとしている。

シンガポールのカーライト政策に関する資料シンガポールのカーライト政策に関する資料。社会における車への依存度を軽くするという意味 Photo by Kenji Momota

 一方、東南アジア各国で、最もホットなITS関連の話題が「レスカー」だ。

 要するに、これは公共交通再編を主軸とした新しい都市計画によって、都市部で走行する自動車の数を減らすという政策である。各国の政策には当然、若干の違いはあるが、俯瞰すると各国が目指す方向はかなり近い。

 都市部での渋滞緩和、交通事業でのCO2削減、そして事故軽減という「交通政策の主要3課題」を解決するには、端的に「自動車の数を減らすべき」という発想だ。

 では、どうして今レスカーを含めた公共交通再編の動きが加速しているのか?

 理由は、スマートフォンの普及とビックデータ解析技術の発展だ。今回のフォーラムでも長年に渡りマレーシアのITS政策に関わってきた関係者が講演で、こうした点を指摘したうえで「ITSは新たなる時代へと突入した」と、マレーシアにとっても大きなチャンスが到来したことを強調した。