予想以上のインパクト
インフィニティ「LE コンセプト」

 2012年4月5日、午前11時35分を回った頃、ニューヨークで衝撃的な発表があった。場所はニューヨーク・マンハッタンの34thストリート&11thアベニュー。ハドソン川に面するジャビッツコンベンションセンターで開催されたNYモーターショーのインフィニティ(日産の高級ブランド)ブース。そこに登場したのは、高級セダンEV(電気自動車)の「LE コンセプト」だ。

NYモーターショーのインフィニティブース。高級EV「LEコンセプト」を発表する、日産自動車のカルロス・ゴーンCEO。
Photo by Kenji Momota

 壇上の日産CEOカルロス・ゴーン氏の口からは「24ヵ月以内に北米で発売」、「量産モデルとしては世界初となる非接触充電方式を標準装備」、「新開発したテレマティクス(インテル社のプロセッサー・Atom採用の)日産コネクトを採用」という言葉が出た。

 さらに同氏は「インフィニティのヘッドクォーターを香港に移した」とも発言したのだ。こうしたコメントに対して、自動車業界関係者たちの間からはかなりの驚きの声が上がった。会場内からは「大型の非接触充電の規格がまだ定まっていないこの時期に、随分と思い切ったものだ」、「日産もトヨタもテレマティクスで欧米勢に負けじと、ここまで早い時期にインテルと手を組むとは驚きだ」などの声が聞かれた。

 実は、同車の登場は、報道陣や業界関係者にとっては「折り込み済み」だった。なぜなら日産は2015年までに北米で4台のEVを発売すると発表していたからだ。この4台とは、「リーフ」、小型バンの「e-NV200」、スポーティタイプのEV、そしてこのインフィニティ「LE」だ。

 これら4台は、投資額5000億円以上と言われている日産のEV開発費用に対する量産効果を狙うため、「リーフ」向けに開発した同社Bプラットフォーム改良型の車体、パワーユニット、そしてリチウムイオン二次電池を基本的には共用する。ところが、こうした事前情報以外に、前述のような新開発技術が盛り込まれていたことが業界関係者たちの度肝を抜いたのだ。