前回までは、ニューグローバリーゼーションの始まりとともに、今後求められる人材像、リーダー像について、そして日本企業がグローバルに事業を展開するにあたり求められる組織モデルについてまとめました。

 今回は、視点を少しマクロにしながら、今後日本に起きる大きな環境変化とこれに対して求められるビジネスモデルの変革について話をしようと思います。

日本に起きていることを
改めて理解する

 今日本では驚異的な労働人口の減少が進んでいます。内閣府の資料によれば、

①日本の65歳以上の人口:23%(2010年)→39.9%(2060年)
②生産年齢(15~64歳)人口:7901万人(2013年10月)→4418万人(2060年)
となっています。

 これは世界の国が今までに体験したことのない少子高齢化の進行であり、なによりも背生産年齢人口が44%も減少します。人口自体が2060年時点では約8700万人と予想され、約30%減少するので相対的には大きなインパクトではないように思えますが、高齢者の割合が増加することによる現役層への負担は、数字以上のものとなります。40年後には日本は今の半分近くの経済圏となってしまう可能性があるということです。

ノウハウはあっても伝える相手がいない日本産業の課題をどうやって克服するか出所:2010年までは国勢調査、2013年は人口推計12月1日確定値、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果
拡大画像表示

 もちろん市場としてもサイズが縮小されるわけですが、労働人口が減少するので、このままの自然減が続くとすれば海外事業含めて事業規模が縮小する可能性があるということです。ますます競争力が落ちてしまうことになります。

 こういった状況を回避するためにとられている対策が、高齢者や女性の労働力の活用(労働参加)だったり、少ない労働力でより多くのせいかを得ようとする生産性向上に向けた取り組みだったりします。