前回は、新たなグローバリゼーションの枠組みが進行する中で、今後どのような人材が必要とされるのか。前回は、知識・経験の領域において、社会科学的要素と理数工学系要素のハイブリッドが求められることについて書きました。加えて、イノベーションを促す発想力を後天的に発言させるために必要な芸術的感性についても触れました。
今回は人材要件の後編です。ニューグローバリゼーションの世界において必要とされる、本質的な人間力について、ポイントとなることを書いてみようと思います。ここで述べることは、これまでと同様に、日系企業が海外事業を拡大していく際において、または日本市場がグローバル企業の先進性を受け入れる際において、必要ではないかと感じるようなところです。
日本企業と欧米アジアの企業の両方で働く中で感じたこと、またそのうちコンサルタントやコンサルティング会社の経営者として働く中において、伸びるコンサルタントと沈没するコンサルタントを見ながら、感じたことです。もちろんコンサルタントと経営者では人材要件は同じではありませんが、双方にふれるようなポイントを3点ほどお話ししたいと思います。
本論に入る前に、語学についてはここではあえて触れることはよそうと思います。必要最低限の語学力はもちろんですし、より深く効率的なコミュニケーションを実現する語学力が必要なことはいうまでもありません。日本人の優秀なエンジニアに語学の実力を尋ねると、残された自分の課題である、といった返事が返ってくることが多いのですが、残念だなと思います。背中を押してあげる人や仕組みが必要です。