約3年の月日をかけて、伝説の名著3部作・計4冊2000ページ超が1冊に凝縮された『最強のコピーライティングバイブル』は発売以来第5刷となり、コピーライティングの定番書になってきた。
その中身は、鉄板の法則を「骨」とし、国内成功24業種100事例で解説されている。
今回は、安倍政権に睨まれるゼッタイ禁止のキャッチコピーを著者の横田伊佐男氏に紹介してもらおう。

20代がドン引き?

 6月に入り、2018年も早いもので、はや折り返し地点。
 あと半年もすれば、2018年の「新語・流行語大賞」が絞り込まれる頃だ。
 そう、コトバには「流行」がある。反面、流行から外れて「使えないコトバ」もある。

 キャッチコピーもまた然りだ。
 かつて、日本国民の誰もが口ずさんだのに、2018年現在はゼッタイ使われない、使えないキャッチコピーがある。

 試しに、次のキャッチコピーの感想を周囲に聞いてみてほしい。
 40代以上は、笑って懐かしんでくれるだろうが、20代にはシャレにならない。
 ドン引きされてしまうはずだ。最悪の場合、訴えられてしまうかもしれない。

 そのコピーは、「24時間戦えますか?」

 これは、ちょうど30年前の1988年に発売された栄養ドリンク「リゲイン」のキャッチコピーだ。
 キャッチコピーが入ったCMソングCDは、なんと60万枚も売れている。

 バブル経済真っ盛りのニッポンビジネスマンは、先進国に仲間入りしたばかりで鼻っ柱が強く、ガンガン働いていた。
 土日返上、深夜残業、1秒でも長く働くことが「かっこいい」働き方という風潮があった。
 バブル期に学生だった筆者も、真夜中まで煌々と灯りが点いている大手商社のビルを見上げ、ジャパニーズビジネスマンのタフネスさに憧れの眼差しを送っていた。

 その風潮があるからこそ、「24時間戦えますか?」という挑戦的な問いは、栄養ドリンクを補給すれば「まだまだ働けるよね?」と読み替えられ、ガンガン働く時代感とマッチしていたのだ。

 一方、2018年。安倍政権で最重要と位置づける働き方改革関連法案が、5月25日に衆院厚生労働委員会で可決された。
 それに後押しされる現在は、仕事の効率を高め、1秒でも早く帰る、1日でも多く休むことが「かっこいい」風潮になってきている。バブル期の「かっこいい」とは、ちょうど真逆である。

 現在、「24時間戦えますか?」を口にしようものなら、ネットでブラック企業と叩かれ、安倍政権から睨まれてしまうだろう。

 発売から30年を経過した「リゲイン」もそんな空気を敏に感じ取って、キャッチコピーを時代に即応している。

「24時間戦えますか?」の名キャッチコピーは、2014年に「3,4時間戦えますか?」として、変更リリースされている。

 かつての挑戦的なコピーから、一気に20時間の短縮だ。

出典:サントリー食品インターナショナル株式会社(※1)
(※1:登録商標「リゲイン」の独占使用ライセンス契約を第一三共ヘルスケア株式会社と交わし、同社が発売)

 2018年現在のコピーは「本気で疲れを取りたいあなたに リゲイン」
 具体的数字を使わず、かなり控え目だ。

出典:三共第一ヘルスケア株式会社

 このように、キャッチコピーは流行の影響を受ける。
 しかし、ご存じだろうか?

 売れるキャッチコピーの原理原則は、流行の影響をまったく受けないことを。  実は、「不変の法則」があるのだ。