約3年の月日をかけて、伝説の名著3部作・計4冊2000ページ超がたった1冊に凝縮された『最強のコピーライティングバイブル』がついにリリース。発売たちまち重版出来となった。
鉄板の法則を「骨」とし、国内成功24業種100事例で肉づけした著者の横田伊佐男氏。
「Amazonランキング大賞2016上半期【ビジネス・経済】ベスト10」にランクインした『稼ぐ言葉の法則』著者で、「日本一のマーケッター」の神田昌典氏が「今後100年、歴史に刻まれる名著」と断言した『最強のコピーライティングバイブル』から、コピーライティングの極意をこっそり紹介してもらおう。今回は「年齢」を軸とした興味深いコピーだ。

「その他訴求」の現場活用ヒント

横田伊佐男(Isao Yokota)CRMダイレクト株式会社代表取締役。企業や受講者の課題点をすばやく摘出し、短時間で確実な成果へと引き上げる「超訳力」を駆使したマーケティング研修講座は、上場企業ホールディングス、政府系金融機関、欧州トップの外資系金融企業、意欲ある中小企業経営者等からの依頼が絶えず、これまでの受講者はのべ2万人を数える。横浜国立大学大学院博士課程前期経営学(MBA)修了。横浜国立大学成長戦略研究センター研究員。 【CRMダイレクトHP】 http://www.crm-direct.com/

●[超訳ヒント1]これだけ押さえたいキーワードは?
型33「特定の個人やグループ」は、効果抜群
「その他訴求」は10個の型があるが、中でも効果的なのは型33の「特定の個人やグループ」に語りかける手法だ。
 読み手を特定し、絞り込むことで該当する対象者は、「自分のことかな?」と注目させることができる。

●[超訳ヒント2]捨てる対象を選べ
全員に刺さるキャッチコピーはない
 型33の「特定の個人やグループ」を活用するうえでは、覚悟が必要だ。相手を特定し、絞り込むということは、言い換えれば「捨てる対象」を選び抜くことだ。
 市場にいるすべての顧客を対象にした効果的コピーは皆無。実際の商品やサービスの価値を本当に伝えたい相手を特定することが重要になるが、これは難しい。先に「捨てる対象」を選ぶことで、「拾う対象」が得られる。

●[超訳ヒント3]ターゲット特定コピーのテクニック
「年齢軸」
 型33「特定の個人やグループ」で、相手を特定する手法はいろいろある。いわゆる顧客セグメントの切り口というものだ。
 中でも「年齢軸」は、誰もがどこか該当するので使いやすい切り口だ。

 この年齢軸を巧みに使っているのが、サントリーウエルネス株式会社だ。
 年齢を軸にしながら、目が粗い「広い対象」から「やや絞った対象」、そして「ピンポイント対象」へと3タイプ別にコピーを使い分けている。

◆広い対象(全方位的)タイプ
「年齢は、問題じゃない。」

 年齢を感じさせないタレントを起用しながら、「年齢軸」でキャッチコピーを表現している。コピーは、広く全方位的につくられており、対象を絞っていない。
 このようなタイプは、顧客の購買活動を狙うというより、商品認知度を上げる場合に使われる。

◆やや絞った対象(〜代)タイプ
「60代。『あの人、年とったなぁ』
 と思ったら、同い年だった。」

「50代。からだなんて
 いまから作り直せる。」

「60代。夜中に、何度も起きる。」

「まるで20代のような上司…
 秘密は新しいセサミンでした」

「〜代」としてやや対象を絞ったタイプだ。
 たとえば、「40代の〜」とすると、40~49歳がターゲットとなる。


◆ピンポイント対象(~歳)タイプ
「44歳、元気がとまらない!」

「49歳から人生一変!」

「52歳で、世界が一気に!」

「52歳、妻を喜ばせたい!」
 出典:すべてサントリーウエルネス株式会社(WEB)
    ※実際のクリエイティブ例は、本書にて紹介

 ピンポイントタイプは、ズバリその年齢が対象なので、ターゲットは狭いが、該当者の目を強く惹きつけることができる。

 これら3タイプ、「広い対象」「やや絞った対象」「ピンポイント対象」の順でコピー例を紹介したが、もう一度、最初の「広い対象」から読み返してほしい。

「広い対象」のスタイリッシュなコピーから、「ピンポイント対象」になるにつれて、コピーが泥臭くなってきていることに気づいただろうか。