「話しが上手」と評価されている人の会話を分析していると、「目新しい情報がない」ということがわかります。今回は話し上手になるための77の手法を解説して話題の『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』の中から、話し上手になるための意外なポイントについて解説します。

あなたもやっていないか?
知らない人を題材にしてウケ狙い

 会話がつまらない人がやりがちなことに、「話を聞いている人々が全く知らない人の話題について、自分だけ楽しそうに話し続ける」ということがあります。例えば、「俺の知り合いに、大西っていう超オモシロイ奴がいてさ!そいつが雨の日に転んで、ずぶ濡れで超オモシロくてさ!」と、爆笑しながら熱く語るような人です。

 そんな話を聞かされても、「大西って誰?」って感想しか出てきません。しかも、話の現場や背景を知らない人ので、「雨の日に転んだ気の毒な人の話で、何でそんなに笑えるの?」と、眉をひそめたくなります。

 こういう微妙な会話をしたがる人は、自分が知っている事と、相手が知っている事の区別が曖昧になっています。だから、大西という人物の話が相手にとっても面白い話と錯覚してしまっているのです。

 さすがに事例のような共通の知人ではない人物の話題は、指摘されなくても避けている人が多いでしょう。しかし、「相手の知らない話題」に対しては配慮を欠く人は多く見受けられます。

 例えば、相手が男性であれば当然のようにスポーツも好きだと思って、スポーツに興味がない人に対しても延々と野球やサッカーなどの話題を続ける人とかに遭遇します。

 そういう時、話している本人は、「おとなの男としての常識を教える」とか、「知っておくと役に立つぞ」というような善意で話をしているのかもしれません。あるいは相手が知らないことを「俺は知っているんだぞ」という情報力自慢をして、優越感に浸りたいのかもしれません。

 しかし、それはモラハラやパワハラに通じる考え方です。

 だからといって、会話とは相手の知っている事だけ話していればいいものではありません。要は「相手の知らなすぎる事を言ってはダメ」なだけなのです。会話には新情報も重要です。

 目安として「そのテーマについて半分は知っている」といった温度感のある話題でなければ、人は聞いても頭に入って来ないと意識しましょう。