前回、組織内弁護士(インハウスローヤー)の実態と、彼らの存在に弁護士界が寄せる期待を解説した。昨年で設立から10年を迎えた組織内弁護士協会の会長で、ファーストリテイリングの法務部に勤務する片岡詳子弁護士は、今後、企業は弁護士が活躍する有望なフィールドであると見る。
(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

人数論とは距離を置いている
協会としての主張はない

かたおか・しょうこ/1991年3月、同志社大学法学部法律学科卒業、95年11月司法試験合格。98年4月弁護士登録(大阪弁護士会)、個人事務所勤務(大阪)。 2000年4月、法律事務所Do SOLO! 設立(東京)。01年10月、パナソニック法務本部を経て、07年11月、ファーストリテイリングに入社、法務部に勤務。10年4月、日本組織内弁護士協会理事長就任。  Photo by Masato Kato

――司法制度改革で掲げられた「年間司法試験合格者数3000人」の方針について、どのように考えているか。

 協会としては人数について、発言はしていない。ニュートラルな立場だ。組織内弁護士協会は単に企業のなかで勤務している人たちの集まりだ。当然、会員は人数についてさまざまな意見を持っているだろうが、協会としてはもっと増やすべきだ、とか反対に減らすべきだ、あるいは、いま日弁連会長選挙で候補の方が主張している1500人が妥当だとかいう意見はない。

 弁護士界をはじめメディアでも、「企業内弁護士が思ったよりもこの10年間増えなかった」ということを聞くが、そもそも、“思ったより”とか“想定より”というのはどういうことか。司法制度改革が議論されていたときに、10年後の予測人数などのシミュレーションをしたのだろうか。少なくとも私はそんな想定人数を聞いたことがない。単にイメージでモノを言っているのでしょう。

 だが、協会としての政策的な発言をすることは、今後の課題だと認識している。今年の日弁連会長選挙の公聴会で初めて、立候補された4名の方に組織内弁護士についての認識を伺った。皆さん、日弁連として組織内弁護士の理解を深める活動の必要があるなどの意見をお持ちだった。