トヨタとスズキが
アフリカ市場の開拓を狙って協業
トヨタとスズキは5月25日、開発・生産・市場開拓の分野で新たな共同プロジェクトを開始することで合意した。そもそも両社の提携関係は、将来的に技術開発投資に懸念を持つスズキから、トヨタに提携関係を求めて始まったもの。いずれインドが中国市場をも上回る世界最大自動車市場になると予測される中、トヨタはインドで強い基盤を持つスズキに呼応して協業化が進んでいる。
特に今回の合意で注目されるのは、世界の新興市場の中でも、未開のアフリカ市場の開拓を狙っての協業だ。両社はインドを生産基地としてアフリカに輸出、現地での物流やサービス体制でも協業を進めて地盤を固める構えだ。
トヨタは、連結子会社としてダイハツと日野があり、これにSUBARU(スバル)、マツダ、いすゞが資本提携関係にある。2017年2月にはスズキもトヨタと提携に向けた覚書を締結したことで“トヨタグループ”に加わった。つまり、日本の自動車メーカー12社のうち、7社が“トヨタグループ”となっており、「日本連合軍」とも呼ばれるようになっている。
ちなみに他の提携関係を見ると、日産自動車に傘下入りした三菱自動車が「ルノー・日産・三菱連合」を築き、ホンダが孤高を保っている。一方、トラックメーカー4社のうち、三菱ふそうが独ダイムラー、UDトラックスがスウェーデンのボルボの完全子会社という業界構図となっている。
インドでシェア約50%
圧倒的な強さを見せるスズキ
スズキは、カリスマ経営者である鈴木修会長の先見性が奏功し、ハンガリーやインドをはじめ、現在の欧州、アジア戦略でも特異な存在感を示している。