毎月支払う健康保険料。会社員は給料から自動的に天引きされるので、どのような仕組みで保険料が決まっているのかを、意識する機会は少ないはずだ。
だが、健康保険料は納めて終わりではなく、その金額によって、傷病手当金や出産手当金など、自分の給付額も左右される。仕組みを知っておくと、もらえるお金に差が出ることもある。
また、今年10月からは、保険料の計算方法が一部見直されることになっている。そこで、今回は健康保険料の決め方について見ていきたい。
4、5、6月の平均給与で
1年間の健康保険料が決まる
健康保険は、加入者みんなで少しずつお金を出し合って、病気やケガをした人を支える制度だ。その医療費を賄うための主な財源が「健康保険料」で、加入者の収入に応じて負担することになっている。
会社員の健康保険料は、毎月の給与やボーナスに健保組合ごとに決められた保険料率をかけ、この金額を加入者本人と事業主(会社)が労使折半で負担する。本人負担分は給与やボーナスから天引きされ、事業主負担分と合わせて、会社がまとめて健保組合に納めている。
だが、保険料計算のもとになる給与は、残業したり、手当がついたりして毎月変動する。保険料を徴収する会社が、その都度、計算し直すのは大変だ。
そこで、原則的に4、5、6月の3ヵ月間の給与を平均して、保険料計算のもととなる「標準報酬月額」を7月に決め、その年の9月から翌年8月までの1年間は、同じ額の保険料を支払うことになっている。