だからこそ、中国は日本に対して「微笑み外交」を通じて、日本を取り込みたいのである。中国首相として約7年ぶりに李克強首相が来日したのもそうした思惑があったのだろう。実際、李首相を交えて開催された日中韓サミットの共同宣言には、次のような文言が明記された。

「我々は、成長を達成する上での自由で開かれた貿易及び投資の重要性を認識する。我々は、スタンド・スティル及びロールバックのコミットメントを通じ、経済の自由化、あらゆる保護主義との闘い及びビジネス環境の改善に引き続きコミットする。(中略)我々は、電子商取引、投資円滑化及び零細・中小企業(MSMEs)を含む国際貿易における昨今の課題に対するWTOにおける議論を歓迎する」(外務省:第7回日中韓サミット共同宣言・仮訳)

 これはつまり、中国への投資や企業間取引の拡大を約束することを意味するもので、日本にとって絶対に避けたいリスクシナリオになりかねない。

 そこで、日本企業としては、中国投資をリスクマネジメントできる範囲に抑えるというのが、リスク回避の最善策であろう。いざとなったら「切り捨て」できる範囲の最低限の投資にとどめ、必要であれば規模を縮小する。そして、それで生まれた余力をアメリカなど消費地に近い先進国に移す。

 昨今の米中関係に鑑みれば、日本企業が取るべき「攻撃と防御」、そして導かれる日本経済の「勝ちパターン」は自ずと見えてくるはずだ。