原巨人vs中畑DeNAに思う
「ミスター○○」の不在
原巨人vs中畑DeNAの元同僚の監督対決、第1ラウンドは1勝1敗と星を分けた。
現在の順位では5位と6位の対戦だが、大補強をしてリーグナンバー1の戦力を誇る巨人と、4年連続ダントツの最下位のうえ、これといった補強もなく今季を迎えた横浜DeNA。多くの人が巨人の圧勝を予想したはずだ。実際、初戦はその通りの試合展開になり、巨人が6-0で危なげなく勝った。
が、雨天中止をはさんで行われた2戦目はDeNAが意地を見せる。戦力的に劣るDeNAが巨人に勝つには投手陣が踏ん張ってロースコアの試合を作り、少ないチャンスを得点に結びつけるしかないが、この日のDeNAはそれを実践。1-1で延長戦に持ち込み、中村紀洋の劇的なサヨナラ本塁打で勝利した。
今季のDeNAの役割は、このような形で格上のチームに対しても決して諦めず、粘り強く戦う姿勢を見せることだろう。こんな試合を続ければ、たとえ負けが込んでも共感し応援しようと思う人は増えるはずだ。その意味で中畑新監督はよくやっているといえる。
ところでこの初戦を、原・中畑両監督が慕う長嶋茂雄氏が観戦に訪れた。長嶋氏は巨人の終身名誉監督。立場上、巨人の勝利を願っていただろうが、中畑監督も04年アテネ五輪の日本代表をともに指導し、病に倒れた後はチームを引き継いでくれた(本大会では銅メダルを獲得)愛すべき弟子。中畑監督が喜ぶ姿を見たいという思いもあり、複雑な心境だったはずだ。
この試合を見ていて、ふと思ったことがある。最近は「ミスター○○」と呼ばれるような選手が見当たらなくなったということだ。