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プロテインを摂るのは筋トレ直後と食事中のどちらがいいか

井手ゆきえ [医学ライター]
【第394回】

 レジスタンス運動(筋トレ)ブームに乗って、プロテイン・サプリメント(プロテイン)を摂取する人が増えている。問題はそのタイミングだ。

 一般に筋肉の増強を目指す人は、筋トレ後30~45分以内のいわゆる「ゴールデンタイム」にプロテインを飲むことが多い。逆に、体重を減らしたい人は、一種の代替食(置き換え)としてプロテインを利用している。この棲み分けに根拠はあるのだろうか。

 成人男女のプロテインの摂取タイミングを比較した試験を系統的にレビューしている米パデュー大学の報告を見てみよう。

 同報告によれば、食事と一緒にプロテインを摂取した場合、登録時点から体重が増加したグループは半数以上の56%だった。除脂肪体重──筋肉、内臓、骨など体脂肪を除いた組織の総重量で、主に筋肉量を反映する──の増加は94%で、逆に体脂肪は87%で低下している。

 一方、一般に「筋肉量を増やす」と信じられている筋トレ直後や食間の摂取では、体重が増加した人こそ72%と食事中の摂取群を上回ったが、除脂肪体重の増加は90%にとどまった。また体脂肪が低下したグループは59%と、食事中の摂取群に及ばないことが判明したのである。

 研究者はこれまでの常識に反して、「プロテインは筋トレ直後や食間に摂取するより、食事と一緒に摂るほうが、効果的に体脂肪を減らし、除脂肪体重を増やせる」としている。ただし単純に体重を増やしたい場合は、食間に追加する方法が良いようだ。

 筋肉が合成される作用は、プロテインを摂取した数時間後に上昇し始め、24時間でピークに達する。会社帰りのジム通いを例にすると、昼食、もしくは夕食で適正な量の「タンパク質」が摂れていれば、筋肉増強には十分なのだ。むしろ、筋トレ直後のプロテインが余分なカロリーになり、肥満につながる可能性がある。

 薄着になる夏に向けて「細マッチョ」や「腹筋割れ」を目指す方も多いだろう。その際、安易にプロテインに頼らず、要不要とタイミングをよくよく考えてみよう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 


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