小室 なるほど。人材不足を根本から解決するためには、待遇を改善して不人気職種から人気職種にしないと、ということですよね。

大塚 そうなんです。物流の安定供給が破綻したら、社会生活は大変なことになります。社会全体で取り組むべき課題なんですよね。

「月200時間残業」の社員を
見たのが働き方改革のきっかけ

小室 今度は大塚倉庫の社内の働き方改革について、お話を聞かせてください。

大塚 この会社の社長に就任したばかりのころ、ある部署の人がトラブルを抱え、月間200時間くらい残業をして対応する事例を見ました。それが働き方改革の必要性を痛感した最初の出来事でした。

小室 200時間といったら、毎日働き詰めですね。

大塚 どう考えてもおかしいぞ、と。トラブルを減らす努力は大切ですが、どうしても起きてしまうことはある。そんなときに、一部署や個人に大きなしわ寄せが行ってしまうのはなぜか。気づいたのが、部署ごとに部屋が分かれていたせいで、ある部署でトラブっているのを周りで感知できなかったという状況でした。

小室 周囲は悪気があるわけじゃないけれど、放置してしまっていたんですね。

大塚 そうです。部署ごとに部屋が別だから、廊下ですれ違ったときにお互いに社員であることはわかるけれど、名前までは認識できない。そこで、まずは物理的な壁を取っ払うため、内装工事をして大部屋制にしたんです。

小室 先ほど会社の中を拝見しましたが、各部署が同じフロアに入っていました。