日本に蔓延るボクサーパンツ・ファシズム

 トランクス派の筆者にとっては、とんだ言いがかりである。だらしなくよれる前に新しいものを購入しているし、風呂上がりに下着で女性の前に出るほど無粋でもない(たぶん)。しかし、筆者がどれだけ雄叫びをあげようと、ボクサーパンツ派の優位は揺らがず、トランクス派は迫害され続けていく。気が付かぬ間に日本はボクサーパンツ派に乗っ取られてしまったのだ。まるでボクサーパンツ・ファシズムである。

本連載の著者・宮崎智之さんの新刊『モヤモヤするあの人―常識と非常識のあいだ―』(幻冬舎文庫)が6月8日に発売されました!

 ワコールが2016年8月に公開した調査結果によると、男性がパンツを選ぶこだわりポイントの1位は「履き心地」で71%だった。しかし、この履き心地に関して一つ言いたいのは、筆者も履き心地でトランクスを選んでいるということである。つまり、筆者は「履き心地」に関して、ボクサーパンツ派とは相容れない感覚を持っている。

 筆者からしてみれば、フィット感のあるボクサーパンツは堅苦しい。トランクスのような自由な開放感がない。まるで大切ななにかが、圧迫されて封じ込められてしまっているようだ。よくあんなものを履けるな、と筆者は思う。世の男性たちは、「不自由」に飼い慣らされた状態が好きなのだろうか。筆者には、まったく理解できない。

 繰り返すが、パンツには開放感が重要だ。著者にとって、「自由」を感じるのがトランクスなのである。

 しかし、今まで見てきたとおり、世はボクサーパンツ派の天下である。ちょっと品のない想像だが、安倍首相はどっち派なのだろうか(もちろん、白ブリーフ派ということもあり得る)。こうなったら、国のトップに勝敗を決めてもらいたいものである。

 いずれにしても、筆者はトランクスを買い続ける。女性から評判が悪かろうと、めげずに買い続ける。ユニクロの棚から、トランクスが完全に姿を消すその日まで……。

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(フリーライター 宮崎智之)