さらに神野透人・名城大学薬学部教授らの研究によれば、市販の高残香性衣料用柔軟剤20製品のうち、18製品の香料が気道刺激性(ぜんそくを誘発する性質)を持っていた。

毒性を持つ香料も
「移り香」にも注意が必要

 このような毒性を持つ香料は、高残香性柔軟剤の場合、マイクロカプセルというミクロン単位(1マイクロメートルは1000分の1ミリメートル)の超微小粒子に封じこまれている。

 こうすれば洗濯の際、衣類の繊維にしっかり付着し、簡単には取れない。衣類を身に着け、体を動かしたり、手でこすったりするたびにカプセルが弾け、香りが放出される。カプセルが周りの人の衣類などに移動することもある。

 多くの人が感じる「移り香」だ。

 このような商品では、前の洗濯時のカプセルがまだ残っているうちに次の洗濯でカプセルが追加され、衣類には香りを含んだカプセルが蓄積されていく。

 これが、強い香りが長期間にわたって持続するカラクリであり、「香りが12週間も続く」アロマジュエル(洗剤や柔軟剤といっしょに使う香りづけ専用剤)も売り出されている。

「フレアフレグランス フローラル&スウィート」の成分に話を戻すと、2番目に量が多い「エステル型ジアルキルアンモニウム塩」は、刺激性・殺菌作用・細胞のタンパク質を変性させる作用を持つ。

 この物質は「陽イオン系」の「界面活性剤」の1つだ。

 界面活性剤は水と油をなじませる性質をもち、衣類の洗濯や食器の洗浄に欠かせない物質で、四つのタイプがあるが、陽イオン系はそのうち最も毒性が強い(注4)。

 この物質はGHS分類では「水生生物に非常に強い毒性を持つ」に分類されており、「環境への放出を避けること」とされている。

 3番目の「AE」は、政府が「人の健康を損ない、動植物の生育に支障を及ぼす物質」に指定しているものだ。