駅名改称費用が安くなる!
運賃改定や新線開業のタイミング

 駅名板・案内板はもちろんのこと、全駅で路線図・運賃表を張り替え、電車の自動放送や案内ディスプレーなどの各種案内装置のデータも更新する必要がある。そして改修費用を増大させる最大の要因が自動改札機、券売機、窓口処理機などの駅務システムのソフトウエア更新だ。IC乗車券が導入された現在では、改修範囲は他社にまで及ぶため、これら改修費用を合計すると数億円にも上る。

 ただしこれは駅名改称を単独で実施した場合の費用。ダイヤ改正、運賃改定や他社の新線・新駅開業タイミングに合わせて実施することで費用は大きく変わってくる。

 たとえば2015年に茨城県龍ケ崎市は、市の認知度向上を目的としてJR常磐線佐貫駅の龍ケ崎市駅への改称をJR東日本水戸支社に要望した。JRが提示した試算によれば、単独で行った場合は6.3億円かかるが、ダイヤ改正に合わせて行った場合は5.4億円に、 さらにダイヤ改正及び運賃改定に合わせて行った場合3.3億円にまで下がる。龍ケ崎市の費用負担を削減するために、当時2017年4月を予定していた消費増税に伴う運賃改定とダイヤ改正に合わせた実施で合意した。

 ところがその後、消費増税が延期となってしまった。改めて実施時期を協議した結果、2020年春に行われるJRの大規模施設更新のタイミングで改称することで再度合意している。しかし、これにより当初3.3億円を見込んでいた改修費用は3.9億円と、6000万円も増える見通しだという。なかなか自治体の思い通りにはいかないのが実情のようだ。

 2020年春は前述の品川新駅開業だけでなく、「2019年度下期開業予定」とされている相模鉄道とJR横須賀線の直通運転開始や、地下鉄日比谷線の霞ケ関~神谷町間に建設中の「仮称虎ノ門新駅」の開業も予想されている。佐貫駅のケースのように、このタイミングに乗っかれば改称費用は安くなる。

 関東圏における次のタイミングは、2022年度に予定されている相模鉄道と東急線の直通運転開始だろう。既に水面下で、この時期に合わせて駅名改称しようという動きがあるかもしれない。今後の展開に注目したい。