米朝首脳会談は交渉的には金正恩側の“勝利”との見方が主流
写真:「労働新聞」より

歴史的な米朝首脳会談の交渉は
金正恩側の“勝利”という見方が主流

「今回、トランプ大統領と金正恩委員長は歴史的な会談を実現し、かつ前向きな成果を得た。これは朝鮮半島の核問題を政治的に解決する上での重要な一歩である。中国は米朝双方を心から祝福したい。朝鮮半島問題は複雑であり、順を追って一歩一歩解決していく以外に道はない。米朝が相互に尊重し、向き合い、朝鮮半島問題の政治的解決に絶え間ない努力を続けることを希望する」

 6月14日、シンガポールで開催された米朝首脳会談に同席し、ソウル経由で北京入りしたマイク・ポンペオ米国務長官を人民大会堂に迎え入れた習近平国家主席はこのように米朝首脳会談を評論した。ポンペオ長官は「トランプ大統領からぜひともよろしくお伝えくださいという言葉を預かっている。特に、習近平主席朝鮮半島問題において施してくれた重要なアドバイスやサポートに感謝していると言っていた」と述べ、中国の働きを評価した。

 世界中で多くの人間が“歴史的な1日”と振り返った6月12日。歴史上初めて実現したトランプ大統領と金正恩委員長による米朝首脳会談の具体的な経緯や内容については、その多くがすでに大々的に報道されているため、ここでは詳細を省くことにするが、会談に対する評価を大きく色分けすれば「具体的成果に欠ける内容であった」というものと「それでも意味のある会談であった」というものであろう。

 前者に関しては、米国が唯一受け入れられる結果と断固強調してきた「完全で検証可能、不可逆的な非核化(CVID)」という言葉が共同声明に盛り込まれず、非核化のための具体的な期限設定や行程表の提示もなかったこと、後者に関しては、それでも米朝の現役最高指導者が歴史的に初めて会談を実現し、「新たな米朝関係や、朝鮮半島における永続的で安定した平和の体制を構築するため、包括的で深く誠実に協議を行った」(共同声明)こと、この会談の実現を通じて、一時は一触即発の危機すら懸念されていた朝鮮半島情勢が少なくとも緩和の方向に向かいつつあることであろう。