6月12日に開催された米朝首脳会談と前後して、北朝鮮では憲法改正に向けた動きが見られるという。非核化に伴うもののようだが、約束を反故にし続けてきた北朝鮮にしては素直すぎる。その背景には、別の要求を米韓がのんだことがあるようだ。朝鮮総連で活動後、フリーライターとして活躍する李策氏に緊急寄稿してもらった。
最高人民会議の代議員選挙を
前倒しする目的は憲法改正か
北朝鮮と面した中国の国境都市・丹東で活動する脱北者のジャーナリストによれば、北朝鮮国内に、最高人民会議の代議員選挙を前倒しする動きが見られるという。
最高人民会議は日本の国会に当たり、選挙は5年に1回行われる。前回は2014年3月だったから、次回選挙は本来なら2019年のはずだ。
「朝鮮労働党が5月20日付けで、共和国創建日(建国記念日)の9月9日までに選挙を行うという指示を、地方組織に伝えたらしい。早ければ今月中にも布告が出て、8月末までに実施されるだろう。この間の病死や粛清による欠員を埋めるのが目的」(ジャーナリスト)
これが事実ならば、前倒しの目的は何か。考えられるのは憲法改正である。