ストラテジックは、今年4月に入って蝶理に対しても、剰余金を配当に振り向けることで、配当実績46円のところ183円配当するよう求める株主提案を行っており、その行方が注目されている。

 一方、ペンタックス以来、10年間もまったく提案を行わず、むしろ投資先企業の経営陣との対話を重視してきた国内運用機関の雄、スパークス・アセット・マネジメントは、帝国繊維に配当実績30円のところ90円にするよう要求したが、こちらも否決された。

自身の利益を優先させる
要求ばかりで否決される提案

 このように、議決権行使結果の公表を義務づけられた今でも、株主提案が賛成票を集めることは容易ではない。否決された提案に共通するのは、配当の増額をはじめとする株主還元策を求めたものであることだ。つまり、アクティビストであるファンドの利益を優先させる提案ばかりなのだ。

 アクティビストたちは、口をそろえて株主提案の狙いを「企業価値の向上」だと言い、そのために「株主還元の優先」や「株式価値の向上」を図るよう要求している。だが、そうした要求が、果たして企業価値の向上につながっているかといえば、株価を見る限りそうとも言い切れない。

 ゴールドマン・サックスが、トランプ大統領就任以降の株価パフォーマンスを調査したところによると、アクティビストが“溺愛”する、配当を引き上げるために自社株の買い戻しに熱心な企業よりも、研究開発(R&D)に熱心な企業の成績の方が上回っていたという。つまり、アクティビストたちの要求では、目的を達成できていないことになるのだ。

 そもそも、ファンドの究極の目的は、事業を運営することではなく、一定程度定められた投資期間の中で利益を上げることであり、その手法として株式の売買を行うものだ。そういう意味では、“お行儀が悪い”アクティビストも存在する。