──収録の際に印象に残っているエピソードなどはありますか?

細谷 今回の本のなかに賞罰教育を否定する箇所があるんです。「人を褒めてはいけない、叱ってもいけない」と。褒めると褒められることを目的とした行動をするし、叱ると叱られないことを目的とした行動をする。それは他者の期待を満たす生き方であり、自らの人生を生きていないというのです。それで、収録時にディレクターさんが「本当にいい本ですよね」って言いながら、僕の読み方を「いまの素晴らしかったですよ!」って褒めてくれるんです(笑)。これどうなんだろうって(笑)。

井上 収録時のエピソードというわけじゃないんですが、全体を通して内容に自分としても思い当たることがありました。そういう考えで生きていかなきゃなとか、自分もそう思ってたけど良い方向だったんだなとか。収録時には気づかなかったことが、あとから思い返すと「ああ!」ってこともあったし。だから5年10年して聴き返すことがあれば、また違う発見があるんじゃないかな。だから皆さんも時間を置いて何度も聴いてほしいですね。 (後編に続く)

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