まず、競馬とかパチンコとかカジノといったギャンブルの場合には、必ず胴元がいます。最終的には胴元に利益が出るよう、つまり、賭け手が必ず損をするように確率計算がなされているのが、ギャンブルのしくみです(期待値マイナス)。

これに対して投資は、一定のリスクは取りつつも、長期的にはプラスの利回りを出していくことが前提になっています(期待値プラス)。

これまでご紹介してきたインデックス投信の自動積立は、短期的な下落があっても、長期的にはプラスへの平均回帰が起こり、一定の利益を手堅く稼いでいく手法でした。

ギャンブルの場合は、「平均」がそもそもマイナスに位置しているので、分散効果が働くほど損の可能性が高まるのが特徴です。

たとえば、毎日同じパチンコ台で同じお金を賭け続ければ、その人の勝率は間違いなく「平均」=「負け」に近づいていきます。

このギャンブルと投資の中間に位置するのが投機です。

投機は売り手と買い手の勝負であり、市場には勝った分だけの負けが存在するゼロサムゲームです(期待値ゼロ)。

「事前に確率計算をしている胴元」と「確率を知らされない賭け手」が戦うギャンブルとは大きく違い、投機では市場参加者同士の戦いが行われます。

そのため、知識・経験と情報に基づいた分析により「機」を見極めれば、勝率をある程度は高めることが可能だとされているわけです。