「儲かりそう」より
「楽しそう」で1億円投資
ヒルトップでは、AGV(Automatic Guided Vehicle/無人搬送車)を開発しています。開発を始めたのは、受注があったからではありません。「楽しそうだから」「社員のスキルアップにつながるから」です。開発にかかった費用は約1億円。すべて自費です。
このAGVを「設計・製造ソリューション展」(日本最大の製造業向けITソリューション専門展)で披露したところ、東証一部上場のスーパーゼネコンから「搬送用ロボットの開発に力を貸してほしい」と依頼がきました。予算は1000万円です。
「1億円もかかったのに、1000万円の売上しか生まないのは、実りが少ない」と思われるかもしれませんが、私の考えは違います。
「全部自費だと思っていたので、1000万円も稼げてよかった」
さらに現在では、このスーパーゼネコンから、溶接ロボットや床張りロボットの開発案件をいただいています。楽しいことをやろうという強い意思が、付加価値を生んだのです。
「楽しそうだな、面白そうだな」と思ったら、とりあえず全力でやってみる。やってみて、本当に楽しかったら続ける。それほど楽しくなかったら、いさぎよくやめる。これが仕事を受ける基本です。
そして、「楽しさ」を起点にすることこそ、自分たちにしかできない仕事をやりぬく基本姿勢でもあります。