費用対効果なんて考えるな!
私は、費用対効果という概念が嫌いですし、そもそも、「儲かるならやる」「儲からないならやらない」という発想がありません。
「儲かるかどうかわからないが、楽しそうだからやる」「儲からなくても、社員のスキルが上がるならやる」からこそ、今のヒルトップの強さがあると思います。
通常、コスト削減は重要な経営課題ですが、これまでコスト削減を目的にしたことは一度もありません。
「採算が合うか合わないか」より、「楽しいか楽しくないか」「やってみたいかやってみたくないか」で仕事を選んでいます。
それでも、前の連載で触れたとおり、ヒルトップの業績は右肩上がりです。
いつ花が咲くかわからない長期的な開発でも、リスクは厭(いと)わない。
その仕事が楽しそうなら、時間と費用を惜しみなく投下します。
「楽しいことをやる」というのは、決して軽い気持ちで口にしているわけではありません。
いつまでも下請に甘んじるのではなく、知的で楽しい仕事をやっていきたい。
そして、自分たちにしかできない仕事をする、世界にひとつしかない会社になりたい。
こうした強い決意のもと、変革を行ったのです。
この方針を貫くことで、社員もイキイキして、楽しみながら仕事に取り組んでいます。
「楽しむ気持ち」こそが、唯一無二の仕事を成し遂げるための源泉です。
今回、年間2000人の見学者が訪れる、鉄工所なのに鉄工所らしくない「HILLTOP」の本社屋や工場、社内の雰囲気を初めて公開しました。ピンクの本社屋、オレンジのエレベータ、カフェテリア風の社員食堂など、ほんの少し覗いてみたい方は、ぜひ第1回連載記事をご覧いただければと思います。