今月公表された2018年の路線価。東京.銀座が2年連続でバブル期を超えるなど都市部で上昇が続く中、明暗が分かれたのが地方だ。29県が前年比で下落する一方、訪日外国人の人気エリアを中心に、局所的に地価が上がる二極化が進む。長年塩漬けになっていた“訳あり物件”にも買い手が現れている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳、宮原啓彰)
「とうとうホテル業界の“三大訳あり物件”まで完売した」──。
今月、2018年(1月1日時点)の路線価が公表された。全国平均は前年比0.7%増と3年連続で上昇。平均路線価が上昇した都道府県は、前年の13から18に増えるなど上昇トレンドにある。
そのけん引役はもちろん、大規模再開発が続く首都圏や関西、愛知といった大都市圏。一方で、地方では北陸3県や四国4県が総じて下落するなど、相変わらず苦戦を強いられている所も多い。
「訪日外国人客を呼び込める場所か否かが、地方の優勝劣敗を大きく左右している」
冒頭のせりふと併せ、ある不動産関係者はそう指摘する。地方でもインバウンド需要を当て込める場所では、地価が上昇傾向にあるからだ。さらに言えば、「同じ県内であっても場所によって大きな格差が生じている」(近畿地方の自治体担当者)という。