2018年はトランプ大統領に振り回される年になりそうだ。北朝鮮の「非核化」では首脳会談後の実務者協議が難航し、中国との「貿易戦争」も先が読めない状況だ。貿易戦争の本格化で、世界の貿易取引の縮減が起きないことをただ祈るばかりだ。だが問題はそれだけにとどまらない可能性がある。
大減税と関税引き上げ
掟破りのポリシーミックス
心配なのは報復関税の応酬がエスカレートすることだ。
トランプ大統領が7月5日に追加の関税賦課を表明した金額を累計すると、中国製品に対して5500億ドルにも達する。この金額は、2017年の対中輸入額5056億ドルを上回っている。中国からの輸入額すべてに追加関税をかけるつもりである。
中国側も、米国の関税適用に反撃して同規模の報復関税をかけているが、米国からの輸入額は1299億ドルと小さく、早晩、同額の報復関税では、追いつかなくなるのは明らかだ。その先はどうなるのか。