SNS上でのストーカー行為やトラブルは増えている?写真はイメージです Photo:PIXTA

スマートフォンを使っていると、つい開いてしまうSNSアプリ。総務省の調査によると、スマホ利用者の71.2%が何らかのSNSを利用しているという(平成29年版 情報通信白書より)。利用者の増加と同時に、インターネット上での人間関係トラブルも増えている。相手の顔が見えないため「これはストーカー、つきまといでは?」と疑問を感じても、確信が得られない。人に聞けないネット上のつきまとい行為について、経験者のエピソードに現行法の定義も交えて考えていきたい。(取材・文/フリーライター むらたえりか 文中の登場人物は全て仮名)

ストーカーとコミュニケーショントラブルの違い
ストーカー規制法の内容とは

 総務省が発表している「平成27年版 情報通信白書」によると、SNS利用者の15.4%が、過去にSNSで何らかのトラブルに遭ったことがあると回答している。30代以上になると、その割合は10%前後にとどまるが、20代以下では26%がトラブルを経験しているという。

 実際に起きたトラブルの内容のうち「自分の発言が自分の意図とは異なる意味で他人に受け取られてしまった」「自分は軽い冗談のつもりで書き込んだが、他人を傷つけてしまった」というもの。これは、コミュニケーションのトラブルだ。SNSだからこそ軽い気持ちで言ってしまった、ということはあるかもしれない。でも、同じようなすれ違いは日常生活でも起きる。

 よくあるSNSトラブルと「ストーカー行為」の違いは何だろうか。ストーカー規制法では、ストーカー行為についてこのように定義している。

 〈同一の者に対し「つきまとい等」を繰り返して行うことを「ストーカー行為」と規定〉