あまり知られていないが、実はあのグーグルにおいては、ゲーム理論の一分野である「オークション」理論の知見が収益の大黒柱となっている。

 この広告モデルの設計者は、ミクロ経済学を専門に米スタンフォード大学や英オックスフォード大学などで教壇に立った後、グーグルのチーフエコノミストとなったハル・ヴァリアン氏。まさに学問的な知見が、世界的企業の最前線のビジネスで生かされているのだ。

 ゲーム理論の応用範囲は硬派なテーマにとどまらない。激闘が続いたサッカーW杯ロシア大会中、物議を醸した日本代表のポーランド戦終盤のパス回しについても、ゲーム理論では数式を使って最適な戦略を導き出せる。結論から言えば、日本が1次リーグ突破のために取った“苦肉の策”である10分以上にわたるパス回しは、論理的に考えて正解だったのだ。

 ここでは数式を省くが、日本がポーランド戦の終盤で攻撃した方がよいのは「得点する確率が失点する確率の2倍以上となる場合」のみと導き出され、突破可能性を高める戦略だったことが明らかとなった。

 政治経済から仕事、暮らしまで幅広く役立つ、ゲーム理論の基本的な思考パターンを学んでいこう。