岩根 各部門の時間外管理も、たとえば長時間労働が発生しそうなときは、部長や執行役員が報告に来るのではなくて、「担当役員から私に、なぜ必要なのかを直接説明しなさい」と言いました。私が納得しなかったら駄目だと言いました。

岩根茂樹(いわね・しげき)
関西電力株式会社取締役社長。1953年生まれ。大阪府出身。京都大学法学部卒業後、76年に関西電力入社。総務、購買、燃料部門を歩み、2007年執行役員企画室長、10年常務取締役、12年取締役副社長、16年6月より現職

 なぜかというと、部長が決めると、部門だけのリソースで考えることになりますが、役員であれば、会社全体のリソースの中でできることがありますので。

小室 会社全体のリソースを使って、働き方改革を進めてほしいというメッセージですね。

岩根 もう1つ、明確な目標をつくることも重視しました。残念なことに、2016年度までは月間時間外労働が80時間を超える者も結構いたのです。ですから、80時間超えは絶対になくすということで、ゼロを目指した結果、2017年度は、80時間超えゼロを達成しました。

 また、年間時間外労働も720時間超えが400人以上いましたので、これを90%削減するという目標を定め、結果として98%の削減となりました。

 そして、有給休暇取得率は90%以上を目標にし、実際に96%になりました。

「いいね」の数で評価し
取り組みを「見える化」する

小室 具体的には、どうやってこれだけの時間外労働削減をしているんですか。

岩根 たとえば、各職場で効率化を考えて実行してもらった施策を、社内ポータルサイト(=「働き方」改革・健康経営ポータルサイト)に投稿してもらっているんです。

小室 フェイスブックみたいな感じで、自由に投稿できるんですね。

岩根 投稿できて、みんなが共感したら「いいね」を押すんです。

小室 投票が集まるとモチベーションが上がりますね。

岩根 「いいね」の数が多い上位五つほどの取り組みを選び、審査委員会で、「働き方」改革大賞、健康経営大賞として表彰しています。このように見える化することで、「こんなことやっているんなら、うちらもやろうか」と社員に興味をもってもらい、水平展開していくわけです。その中で、昨年は「ブラザー制度」という取り組みが「働き方」改革大賞に輝きました。