──アイテム数は今後も増やしますか。

 はい。ECを拡大する中で、いちばん課題になったのが物流センターでした。もともとかなり大きいセンターを持っていましたが、キャパシティが足りなくなり、昨年センターを移転しました。新物流センターは、さらに5倍くらい取り扱いできる余裕があります。そういう意味で在庫のアイテム数は、1000万は少し厳しいかもしれませんが、400万くらいは可能だと思っています。

──物流フローはどうなっていますか。

 東京23区とそのほか一部の市は自社配送です。川崎にあるDC(在庫型物流センター)から12ヵ所のデポに行き、注文先に配送されます。ドライバーも自前で抱えているので、地区ごとに割り振り、無駄なく配送することができます。そのため、配送業者に委託するよりもトータルコストは安くなっています。

 配送で問題になるのが再配達です。梱包も自社でやっています。できるだけ小さく梱包し、ポストに投函できる割合を増やすことで、再配達を減らしています。これはわれわれだけでなく、お客さまにとってもいいことですから徹底します。

──ドライバーも自社で抱えているのは珍しいですね。

 この点は、よく社内でも議論になります。しかし、オンラインでは購買体験の最後である「配送」がお客さまと唯一つながっているポイントです。お客さまの声を聞きやすいというメリットもあります。「自社で仕入れ、自社で販売しているものを、自社で配送する」。とてもシンプルな考えです。

──昨年から配送業者のキャパシティオーバーが注目され、“宅配クライシス”と呼ばれて社会現象になりました。ヨドバシカメラは今の状況を見越して自社配送を拡大してきたのでしょうか。

 そうです。配送業者はもともとEC用にサプライチェーンをつくってきたわけではありません。ECが急拡大しているので、どこかで限界が来るだろうと予測していました。これは順次拡大します。ただ、ドライバーは人員が集まりにくいので、無理して広げるという考えはありません。

──自社配送の対象エリアでは、注文から2時間半以内に配送する「ヨドバシエクストリーム」を展開されています。なぜ2時間半なのでしょうか。

 30分以内にピッキングし、2時間以内に配送するから2時間半です。ただ、そこまで早くするよりも、全体的なサービスを底上げするほうがよいのではないか、という意見も社内にあります。再配達は24時間受け付けており、今は従業員が対応しています。できる限りお客さまの要望を知るためです。いずれシステム化していきたいと考えています。