質での成長になると賃金が増えなくなりました
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「量より質」というのは使い古された言葉かもしれない。日本でも「量」の拡大による成長から「質」の向上による成長ということが言われてきた。このことは当たり前すぎることなのだが、一方で「質」の向上による成長の時代になると、なぜ低成長が続き、また賃金が上がらなくなったのかについては、腑に落ちないところがある。その「謎」を解いてみよう。

「量」の拡大では
成長が難しくなった日本経済

 戦後の食料不足の時代にはまずは食べ物の確保という「量」の問題が重要だったが、飽食の時代になると味のよしあし、レストランの雰囲気といった「質」の重要性が増してきた。高度成長期には「大きいことはいいことだ」というチョコレートのCMがあったが、今の時代にはあまりアピールしそうにない。

 人々の嗜好が量から質に変わってくれば、企業経営でも量(売り上げシェア)の拡大を追い求めるのではなく、収益性に軸足を置いた品質重視、高級品へのシフトといった流れが生まれてくる。いわゆる高付加価値化だ。

「消費者の財布のひもは固いが、本当にいいと思ったものは高くても買ってくれる」という企業経営者のコメントもよく耳にする。そうなのだろうか。