ちなみに筆者は、GPIFではない公的年金の運用委員会の委員を務めているので、この問題は他人事ではないのだが、効果があやふやで、フィーは高くつくアクティブ運用を続けるよりも、パッシブ運用のベンチマークの改善(運用上の利便性とベンチマークの利用コストの改善を追求したい)に注力する方がいいのではないかという“個人的仮説”を持っている。

 なお一般の個人投資家は、傾斜のきつい成功報酬の運用商品には近づかない方がいい。ヘッジファンドや代替投資を標榜する商品には、成功報酬がついているものが多いが、概ねろくなものはない。加えて、個人はGPIFのようには委託先を管理できないので、成功報酬が高くつくようなリスクを取られて、実質的に高い手数料を支払うことになる公算が大きい。

「より儲かったときにより多く取るのだから、成功報酬は納得できる。加えて、運用のプロは成功報酬の方が頑張るだろう」などと考えるのは、素朴な誤解であり、金融の世界では“カモ”となる思考なので、注意されたい。

(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)