熊本地震の発生から2年、そして6月18日には大阪府北部で地震が発生するなど、日本各地でM6~7クラスの内陸地震が多発している。こうした内陸地震の頻発は、近い将来の発生が懸念されている南海トラフ巨大地震とどう関連しているのか。今後警戒すべき内陸地震と南海トラフ巨大地震の行方について、東京大学地震予知センターの佐藤比呂志教授に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 林恭子)

過去も南海トラフ地震発生の前後は、
死者数千人規模の「内陸地震」が発生

――6月18日に大阪府北部でマグニチュード(以下、M)6.1の地震が発生しました。この地震は、どのように起きた地震だとご覧になっていますか?

東京大学地震予知センター佐藤比呂志教授
さとう・ひろし/1955年、宮城県生まれ。東京大学地震研究所・地震予知研究センター教授。東北大学大学院理学研究科卒、茨城大学理学部助手などを経て、2004年より現職。専門は構造地質学、アクティブテクトニクス、探査地震学。地震とプレート境界地震の相互作用についての研究を行っている。地震調査研究推進本部・地震調査委員会活断層分科会委員、地震予知連絡会委員などを歴任。

 日本列島の地下にはたくさんの「震源断層」が分布しています。「震源断層」というのは、深い所にある地震の波を発生させる断層です。規模の大きなものは地表近傍までずれを示し、活断層として認識できますが、M6の規模では地表に断層が現れてこないケースが多く、こうした地震を予測することは極めて難しい問題です。

 今回の大阪府北部の地震に関しては、中角度で東に傾斜する断層と、東北東-西南西方向で急傾斜の断層が引き続いてずれ動くことによって発生した地震であることが分かってきました。南北方向に伸びる東傾斜の断層は、大阪の市街地を南北に横断する「上町断層帯」と関連性が強いものだと考えています。

 活断層があると、すごく危ない場所だと思われがちです。しかし直接的にはそうではなく、一番気を付けるべきは活断層よりも深い所にある「震源断層」です。震源断層が傾斜している場合には、活断層の周辺と強い揺れに襲われる地域が異なりますので、注意が必要です。